この人の理論に初めて出会ったのは、何年前だろうか。弘前で課題曲のクリニックがあって、弘前市民会館の大会議室で初めてこの人と出会ってお話を聞いてから、理論は一貫して変わらない。指揮法のクリニックをしても、曲のアナリーゼをしても、合奏法の講座でも、話は必ず「音楽のエネルギー」の話になる。音楽が進んでいく原動力は、音楽が持っている、内在しているエネルギーによって突き動かされるものである、というこの話は、何回も聴いて頭から離れない。
それは、具体的に言うとリズムや和声やメロディの流れであるかもしれない。しかしそんな単純な話ではないような気がする。リズムで言えば音価が変わるとき、和声ではテンションコードが解決に向かって響くとき、メロディではその起伏が山場を迎えるとき、音楽のエネルギーは内部から噴出して私達に降り注がれ、至福の時を迎える。
このことを、指揮法ではどのように振り分けるか、合奏法ではどのような練習で創り上げるか、アナリーゼの視点はどこに置くべきか等々を何年にもわたって、講義を受けてきた。
最近、何か大きな病気をしたらしく、声をはっきりと出せないのがとても心配である。しかし、ここ数年、浜松で見せていただいている指揮は、今までにない張り切りようで、バンドの音楽がうねるように響いてくる。今年は、「アルメニアンダンスパート1」だった。出だしの指揮はなんと、下から出た!演奏後、「あの指揮はできない。」ともっぱらの評判だった。昨年は、「風紋〜原点版」これもすごかった。
その先生と、浜松の居酒屋で、演奏会終了後偶然お会いすることができた。しかも私達のことを覚えてくださっていた。「齊藤久子先生は元気ですか」
お元気なうちに、また、弘前で指揮をしていただきたいと考えている。
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