2008年9月2日火曜日

「歩いても 歩いても」


 予告編で、坂道を歩いているシーンが多かったので、

それで、この題名なのかとも思ったが、全然違った。

この題名が分かるシーンは、母親(樹木希林)

が昔聴いたレコードをプレイヤーで書けるところ。

さてこの歌は何でしょう。


 お話は、夏休みのある日、故郷で以前開業医をやっていた

父(原田芳雄)の元に次男夫婦と姉夫婦が訪れてくるところから始まる。

話が進む中で、この日は、医者を継ぐはずだった長男の命日と分かる。

 父は引退した今も、威厳を持ち続けている。次男とは

医者を継がなかったことで確執があり、会話もほとんどない。

そんな父を次男も疎ましく思っているし、現在失業中だという

ことにも負い目がある。しかしこの日だけはそのことを

隠しておきたい。さも忙しそうに携帯電話をかけたりして。

しかもこの次男(阿部寛)は子連れの再婚。そのことも

母親の一言一言が奥さんに突き刺さる。

仕事は絵の修復作業をするらしいのだが、今はそのあてもない。

姉(YOU)は明るく、その場を取り繕うとするが、

とりつくしまもない。この姉夫婦と二人の子どもも、

この実家に戻りたいらしく、改装の話を持ち出す。

父は「この家は俺が稼いで建てた家だ。」と一括。

孫達の他愛のない「おばあちゃんちはいいなあ」

という発言にも「ここは俺の家だ。」の一言。

そしてこの死んだ長男は、海で、他人の子を

助けたことでおぼれ死んだことが分かる。

その助かった子が、毎年この日に呼ばれる・・・

もう成人になっているが、まだ、職にも就かず。

姉は「もう呼ばなくてもいいんじゃない」というが

母は、「来てもらわなくちゃ困るのよ。あの日のことは

一生忘れられないんだから。だから、来年も再来年も

来てもらうのよ。」この言葉が樹木希林から出る瞬間が

怖い。その母親も、姉からパチンコの玉が転がっているのを

見つけられ、しどろもどろに・・・・

そして、ちょうちょが家の中に入ってきたとき、

「これは、○○(長男名前忘れた)じゃない?といって

部屋の中で蝶々を捕ろうとするところが、悲しい・・・

次男は母親に、「子どもに自動車に乗せてもらって、

買い物をするのが、夢だったのよね。」といわれるが

彼は免許も持っていない。しかも姉の旦那は車のセールス

をやっている。

そして、姉夫婦はその日の夜に帰り、次男夫婦は一泊して

次の日に帰ることになる。


そして数年後、次男夫婦には子供も生まれ、連れ子は

高校生ぐらいになっている。父も母も亡くなり、その

墓参りのシーン。蝶々がまた飛んでいる。

「モンシロチョウは冬を越して、

次の年に黄色くなるんだって。」

墓参りの帰り、坂道を下るとそこにはワゴンのボックスカー

が止まっていて4人が乗り込むシーンで終わる。

いろいろな会話が、「イタイ」映画である。

取り立てて事件も起きない、24時間を追う映画ではあるが、

様々な複雑な関係を浮かび上がらせる映画ではあると思う。

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